家族型経営・護送船団方式は本当に悪なのか
日本式の雇用形態と言えば、「終身雇用」・「年功序列」ですが、
「年功序列」については、個人的には現在、「実力主義」方向へ移行していると思います。
それはそれで良いことだとは思いますが、完全な「実力主義」にしてしまうのは如何なものかと思うようになりましたし、現代の日本ではそれもまた必要と感じるようになりました。
「年功序列」は、以前は良いように機能していたんです。
日本には、「滅私奉公」と言う考え方が昔からありましたので、
会社の繁栄のために何をすべきかを自分で行動出来ていたのです。
しかしながら、現在は、「そのまま会社にいれば、それなりのポストになれる」という感覚になってしまったため、いわゆる「働かないおじさん」が目立つようになってきました。
そこにきて、「実力主義」と言う考え方が入ってきました。
それに加え、「ジョブ型雇用」というのも導入を進めていくようになりました。
それに伴ってではありませんが、「終身雇用」も改めようという流れがあります。
でも、この3つについては、別々で考えないといけないと思います。
まず、「実力主義」ですが、今の若い年代には今は良いと思います。
しかし、この世代が40代近く、いわゆる中間世代になったとき、今のままでは上手くいくかと疑問になります。
今の私(40代中盤)以下の世代って、社会に出てから、あまり知識・見聞を習得しない方が多いんです。
時間があれば、「スマホゲーム」なんですね。
これでは、実力なんて付くわけ無く、格差は広がります。
ましてや、「ジョブ型雇用」を導入すれば、専門職ばかりになります。
総合的な俯瞰で会社を見る幹部が希少になっていくと考えます。
総合的に見られるのは、社長やCEO・COOのみというのは結構脆弱と思います。
これが今、現実で起こっているのが、政界です。
国会議員は、自分の票集め・自分の地位の維持のみを考え、党の方針に異を唱えることは少なく、
自分の知識・見識を広めることもしないから、官僚が作ってきたペーパーを異論無く棒読み。
会社員はこのようにならないとは思いますが、少なくとも世代交代時の古参社員との軋轢・考え方の違いは発生すと思います。
「家族型経営」というのは、現在、希薄してきていると思いますが、現状の労働関係法が安易に解雇が難しい法環境「終身雇用」は崩れず、「家族型経営」は維持するべきと思います。
これは、各人が自分の能力を発揮する会社を作るには必要な仕組みなんです。
しかし、前述の「実力主義」・「ジョブ型雇用」とは少し違います。
上記の「各人の能力」は実務能力のみならず、実務以外の能力も必要ということです。
仕事はそこそこだが、社会の雰囲気をよくする社員や、すぐには実現は出来ないが、突拍子もしないアイデアを出したり語ったりする人間というのはいざというときに必要と思います。
組織内だけでは無く、社会の組織間においても、突き進むところと支えるところ、と役割があるように、いろんな人・組織を必要なときに能力が発揮出来るようにする方法の一つが。「家族型経営」であり、「護送船団方式」であると考えます。
それこそが、日本で昔から相互を認める「多少性の容認」の一つと思います。