高いものには高いだけの理由があります。
昨今の物価高、値上げが下手な日本企業は、とうとう、「企業努力」という名の(モンスター)消費者のご機嫌取りが限界を迎え、また、今後の値上げ見通しも甘く、短期間で何度も値上げをしてしまう、ご機嫌取りに走ったつもりが逆に悪い印象になってしまった状況です。
個人的には、コスト高(物価・人件費)が見込まれているのだから、素直に大幅値上げに踏み切れば、社員の人件費も確保(=物価高にこれほど文句が出ないほどの賃上げ)出来るのに…と思ってしまいますが、素人考えでしょうか。
さて、なんで、「ステルス値上げ」とか、「細かな値上げ」をするんですかね。
デフレ社会(経済)が長かった日本なので、真綿で首を絞めた方が、消費者には気づかれにくく反発がないんでしょうね。(まさにご機嫌取り)
「良いものをより安く」ご提供は全くもってありがたいのですが、それは体力がある企業で良いんです。(大手も大分「企業努力」では済まなくなっていますが。)
「良いものを妥当な価格で」提供するのが、みんな幸せになるんです。
高いもののは、「良くも悪くも」それ相応の理由があるんです。
製造に原料・製法へのこだわりや手間暇が掛かれば、原材料費や人件費・輸送費ならず、研究開発費も掛かります。
サービスに満足感を持たせるには、人件費や環境整備のための費用も掛かります。
価格帯は、ピンキリあってもいいと思うんです。
問題は、「選択が出来ない消費者」を生んでしまった、「間違えた企業努力」なんです。
消費者の自社へのファン化やブランディング(イメージ戦略)が出来ないから、価格勝負に陥ってしまい、結果、お客さんを維持は出来ても、「増加」ができない、ましてや、価格競争に負けて、固定見込み客(ファン)を手放すという悪手。
私は、今、傷病手当金をおもな収入になっていますが、これって「現役時の賃金」が基準なので、一般的に賃上げがされていくと、非常に困るんです。
年金も、毎年改定はしますが、賃金と物価の上昇を反映して算定するとはいえ、面倒な計算の仕組みで結局完全反映にはなりませんし、過去のマイナス保留分をキャリーして反映する仕組みもあります。
でも、文句は言いませんよ。
まだ選択肢はありますし、比較・検討をする力を日々養う努力はしますし、何を基準に商品を選ぶかをある程度ハッキリさせていますから。
どーでも良いですが、「ごま油」は可能な限り、かどや製油所(株)さんを選択します。
何故か?
「刷り込み」です。
ごま油なんてこれっぽっちも興味が無い子供のときから、「かどやの純正ごま油」と言うフレーズをすり込まれた(良い意味)ら、自分がごま油を買うという初イベントに遭遇したら、少なくとも「純正ごま油」と言うのが出ますし、商品棚で「かどや」を探すでしょ。
しかも、あの形状のボトルですよ、目立たないわけがない。
そこで、商品(原材料・内容・こだわり・サービス)が良ければ第一候補です。
次に、製造企業(会社・ブランド・印象)です。
皆さんが最近増えてきたプライベートブランド、購入の決め手は、何でしょうか。
取り扱いのチェーンチャネル(セブンプレミアムやCGCなど)もそうですが、その、「共同開発先」(≒製造者)ではないでしょうか。
ここから、価格は登場していませんね、ここでやっと価格が登場します。
価格は、購入対象にこだわりがない限り、選択の第一「決定打」には登場しないんです。
勿論、選択する際の「候補」には上位に来ます。
で、同じような値段なら「こちら」・「あちら」になるんです。
むかし、イオンのトップバリュ(PB)商品を手に取る時期が少なかった事があります。
なぜなら、今ではありますが、当時は、製造者(共同開発先)の記入がなかったのです。
いくら価格が安くても、自分の中で「これは購入して良い」という判断が出来ないと、購入しません。
あなたの「応援したい企業(ファン)」と「好みでない企業(アンチ)」同額、いや、10%の価格差があっても後者から買いますか?
「それどころじゃない、四の五の言わずに安いものだ」状況は、相当来ないと思います。
少なくとも、国民全員が上記の状況にはなりません。
俗に言う「お金持ち」はお金をいかに無駄使いしないかなので、
『価格』でのお金の使い方はしません。
『価値』に見合ったものはどんな値段でも購入します。
だから、「こだわりの薄い商品」は安価なものでも手を出しますが、
「価値感上、譲れない商品」には糸目はつけません。
全く文句を言わなくなることは無いでしょうが、
この価値観設定という名の自分の市場価格把握、
好判断のときの快感と、物価上昇に対する納得感の醸成は、ストレス減らすのに良いですよ。