あなたの収入はどこから?(FPと簿記のススメ)
あなたの収入はどこから来ているでしょうか。
「物価が高騰した」のに「賃金が上がらない」
そう、大変ですよね。
「節約します?」「転職します?」「起業します?」「手当金もらいます?」
とりあえず、素人なりに考えてみますか。(約25年前の簿記の知識を利用して)
賃金を上げるには、『粗利益』を上げる必要がありますね。
(売上げではないですよ。注意してくださいね。)
その『粗利益』の中から、「販売費および一般管理費」を引きます。
販売費は商品を販売するのに(直接)販売する従業員の人件費も含まれます。
一般管理費は、業務に関する(会社全体の)人件費が含まれます。
ちなみに、これで求められるのが、『営業利益』となります。
要するに、まず、『粗利益』が出ないと、賃金の支払い原資が出ないわけです。
そのまま単純な話ではないですが、大枠として、『粗利益』が必要です。
『営業利益』から「営業外収益・費用」を差し引きして、『経常利益』が計算出来ます。
『経常利益』から、「特別利益・損失」を差し引きして、『税引前当期純利益』が計算出来ます。
『税引前当期純利益』から、法人税等を引いた結果、『当期純利益』が求められ、
この『当期純利益』を株数で割って、「一株あたりの配当」を「一株あたりの当期純利益(EPS)」で割ったものが、「配当性向」であり、「配当原資」を求めることが出来ます。
なお、『税引後当期純利益』から「配当原資」を引いたものは、
会社に残お金は「内部留保」といい、会社の成長(事業開発や人材確保)に使用します。
さて、長くなりましたが、
・『純利益』が無ければ、従業員の賃金は上がりません。(賃金の原資)
・『税引後当期純利益』がなければ、会社の成長と株主への還元が出来ません。
・「配当性向・配当原資」が低い(少ない)と、株主へは還元出来ません。
・特別利益が多くても、(恒久的な)賃金は上がりません。
以上を踏まえて、見るものを見ましょう。
何を見るか、「IR情報」です。
株式会社は決算報告を「IR情報」として公開(提供)します。
ホームページに「IR情報」があり、その中に『決算短信』がありますので、それを見ます。
最新の会社業績は、これで確認が出来ます。
また、今後の会社の方向性(利益の見立て)も記載しています。
それを持って、上記に書いた「賃金原資」の仕組みを当てはめれば、
今後賃金が上がる可能性があるかがわかります。
賃金が上がる見込みがありそうならば、「節約等で現状をしのい」でも良いし、
賃金が上がる見込みがなければ、「転職を考えれば良い」し、
そもそも、転職先(業界)の賃金も見込めないのであれば、「起業も視野に入れ」る必要がある。
自分で(ある程度)判断出来る事になります。
『決算短信』を読めるようになれば、自分の判断で株式選定も出来るようになるでしょう。
「節約」のみではなく、「投資」と言う選択肢も増えます。
個別株でも、投資信託でも、どの会社・分野・市場に投資すれば良いかを自分で判断出来ますので、
おいしい話や怪しい話、ぼったくりの投資商品(ゴミ商品)の見極めが出来ます。
『決算短信』を完璧には読むには、結構、「経済の知識」と「簿記の知識」は必要ですし、
上場企業の「貸借対照表(PL)」と、「損益計算書(BS)」は多分、日商簿記2級程度の知識が無いと読み取れません。
如何ですか?
金融系Youtuberの動画を鵜呑みにするのも良いですが、
ちょっと大変ですが、自分で簿記とFPの知識を手に入れて、自分で判断し、自分で(自分の人生を)コントロールするのは。
結構ストレスは減ります。
(ただし、責任は全て自分ですが、訳のわからない他人に委ねるよりは良いでしょう。)